自分より強そうな女の子はねらわない

性教育の専門家であるマッキーさんは、看護師として小児科に10年、泌尿器科に6年勤務し、現在は自治体を中心に性教育講師として活動している。

マッキーさんによると「性教育の講演に来るのは99%が母親。男の子ママと女の子ママの割合は1対1くらい」 写真提供/マッキーさん(以下同)
マッキーさんによると「性教育の講演に来るのは99%が母親。男の子ママと女の子ママの割合は1対1くらい」 写真提供/マッキーさん(以下同)
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彼女のもとには男性から、性にまつわる相談も数多く届く。男性が「女子トイレに行って排泄したい」「女の子の靴下を盗みたい」など、一般的には驚くような欲望をよく目にするそうだ。しかし、そうした欲望を実行に移すかは、別の話だという。

では、どんな状況だと実行に移してしまうのだろうか。

「実行に移そうと思うのは、受動的な時間を過ごしているときです。具体的にはスマホなどでゲームやネットサーフィンをしているとき。体を動かしたり、趣味に打ち込んだりしているときは思い浮かばないようです。今回の男児たちは、熱心に打ち込めるものが他になかったのかもしれません。」(マッキーさん、以下同)

小学6年生なので年相応に性への興味はあるが、そのエネルギーの対処方法は教えられていない……。

「被害者や加害者の親から直接相談を受けたことはありません。それだけ性にまつわる悩みは口にしにくいと考えます」
「被害者や加害者の親から直接相談を受けたことはありません。それだけ性にまつわる悩みは口にしにくいと考えます」

被害が同年齢でなく、4学年下の2年生であったことについても「性的被害ではよくあること。年上や、自分より強そうな女の子はまずねらいません」という。

痴漢でも被害にあうのは「露出が激しい服を着ている、明るい髪色の女の子」と思われがちだが、実際は「ひざ丈で学生服、宿題をちゃんとやってそうなタイプの女の子」が最も被害の対象になっているという。

「性加害者は対象とする人を慎重に選びます。たとえば、ターゲットの自宅まで着いていき、その様子を観察します。自動車で軽くぶつかってみて『ぎゃあ!』と叫ぶ子なのか、『あ、ごめんなさい……』と頭を下げる子なのか、などをチェックしています」