収賄の疑いで兵庫県警は原田部長を事情聴取 

産業労働部の職員が標的にされた理由は、Aさんが告発文書で書いた7項目のうち、「知事のおねだり体質」を暴露した具体例に関係する職場にいたためとみられる。

告発文書にはこうある。

〈令和5年8月8日に加西市のコーヒーメーカー会社を視察した斎藤知事は、会社が渡そうとしたコーヒーメーカーの受け取りをマスコミがいる前では拒んでみせたが、同行した原田部長に「みんなが見ている場所で受け取れるはずないやろ。失礼な。ちゃんと秘書課に送るように言っておけ!」と指示し、後日無事にゲットした〉

9月5日の原田証言では、この製品は原田部長の求めで会社から原田部長に送られ、告発文書が出た後の3月27日に大急ぎで会社に返却している。

本人は百条委で「開封もしていない」と主張したが、実際に使われており返却されたのは別の製品だとの見方や、ほかにトースターも贈られ知事が使っていたとの証言もあり、実態は不明だ。収賄の疑いがあり、兵庫県警は原田部長を事情聴取している。

証人尋問を終えた原田産業労働部長(撮影/集英社オンライン)
証人尋問を終えた原田産業労働部長(撮影/集英社オンライン)

そして、原田部長が人事課にメール調査の標的として名指しをした部下職員は、自身の秘書と、コーヒーメーカーを一緒に返却しに行った総務課副課長だった。

「指示したというか、(Aさんの情報の)出所(調査)という意味で、(ネタ元になった)可能性があることでその4名の名前を挙げましたけど、意図を持って調べたとかは、私は知りません」(原田部長証言)

名を挙げるということはその4名を「調べろ」ということにほかならず、悪質な指示の弁解にもなっていない。この被害者の中には最近竹内県議に確認を求められた時に「メールを調べられていたことを知らなかった」と話した人もいる。