世論調査で際立つ“進次郎人気”
「進次郎の人気は圧倒的だ。彼の勢いに乗っかって、そのまま解散総選挙になだれ込み、衆院選を乗り切るしかない」
岸田文雄首相が退陣を決め、大乱立の混戦状態となっている自民党総裁選。慌ただしく永田町が動く中で、自民党関係者は臆せずにそう語った。
実際に報道各社の世論調査を見ても、小泉氏の人気の高さがうかがえる。
日経新聞が8月21、22日に行なった世論調査では、「次の自民党総裁にふさわしい人物」として小泉氏を挙げた人が23%で1位となり、自民党支持層に限ると32%にまで増えた。さらに、産経新聞の同様の調査でも小泉氏が22.4%を集めて首位、自民党支持層に限ると29.4%となった。
他社の世論調査では石破氏が1位となっているものもあるが、石破氏は自民党支持層に限ると支持率が低下する傾向にあり、これまで非主流派として歩み続けてきたことが仇となっている様子がうかがえる。
こうしたことから、永田町では小泉氏を自民党総裁選での本命候補と見る向きが強い。
その一方で、政治家としては致命的な「調整力のなさ」も指摘されている。事の発端となったのは、小泉進次郎氏が会長を務める「超党派ライドシェア勉強会」でのこと。
一般ドライバーが自家用車を使って有料で客を運ぶ「ライドシェア」。インバウンド(訪日外国人)を促進してきた菅義偉氏が、観光客による混雑緩和を目指して推し進めてきた政策だが、その具体的な内容を与野党で議論してもらうために、超党派の勉強会を小泉氏に任せた形だ。
永田町関係者は語る。
「菅氏はかねてから小泉氏を総理総裁候補として育てようとしており、与野党で合意形成を図る勉強会の会長をさせることで、政治家としての力をつけさせようとしたみたいだ」
だが、小泉氏はその勉強会の初会合を巡って大きなミスをしてしまった。