「海軍カレー」で忠誠を誓ってきたあの人が、強力な後ろ盾に? 

進次郎氏が総裁選を見据えるうえで強力な味方となっているのが、同じ神奈川県を地盤とする菅義偉前首相だ。菅氏は石破氏や河野氏への支持も視野に入れてきたものの、本命は進次郎氏であるとの見方が永田町では根強い。

「国民人気の高い石破氏ですが、永田町では人気がなく、菅氏ら大物の支援を取り付けられなければ勝ち目はありません。また、菅氏が前回推した河野氏も麻生派から退会せず、『脱派閥』が持論の菅氏は快く思っていません」(全国紙政治部記者)

菅氏はこれまでも進次郎氏について「気配りができる」と評価。「周りの議員を信用せず、めったに携帯の番号すら教えない」とされる進次郎氏だが、菅氏に対しては絶大な信頼を寄せ、菅氏が官房長官や首相だった際には官邸に足しげく通った。

菅氏の誕生日には進次郎氏の地元・横須賀の「海軍カレー」を差し入れるなど、忠誠を誓ってきた。

菅義偉前首相(本人Facebookより)
菅義偉前首相(本人Facebookより)

そんな進次郎氏は滝川クリステル氏との結婚の際も官邸を訪れ、いち早く菅氏に報告。官邸のロビーで「結婚会見」まで行なったが、これをよく思わなかったのが、進次郎氏と距離のあった、安倍晋三首相(当時)だった。

「それでも安倍氏は、人気のある進次郎氏を閣内に取り込みました。内閣支持率は上がりますし、原発の処理水問題など難しい立場の環境相をやらせてみて、進次郎氏が自爆すればそれでもよいと考えたのです」(安倍氏周辺)

その安倍氏の目論見が当たったのか、「気候変動問題への取り組みは、セクシーでもあるべきだ」など、大臣としての資質が問われる発言を繰り返し、失笑を買った進次郎氏。

だが、そんな進次郎氏を引き続き環境相として続投させたのが、安倍政権を引き継いだ菅氏だった。しかし、菅政権は約1年で終わってしまった。直後の総裁選で菅氏が「小石河連合」の一員として推した河野氏が敗れてからは、小泉氏は重要閣僚や党幹部の経験を積めぬまま、今に至る。