教員は「運動会は今の形がベスト」
30代男性の小学校教員は「学校の運動会は組分けもなく、得点もつけず、種目もラジオ体操・ダンス・徒競走の3つだけです」という。
コロナ禍以降、運動会が午前中のみの開催となったため、内容を精選するようになった。職員会議で話し合いを重ね、児童にとって教育的効果が高く安全にできるものを実施している。
この教員は「正直、この形になってすごく助かっています」と明かす。
「コロナ禍以前は、担当の先生がたに負担が偏っていました。種目数が多いと当然、準備に時間がかかります。以前は担当の先生がたを中心に2週間以上前から準備をしていました。
しかし、現在は前日に全教員で一斉に準備をするので、だいたい1〜2時間くらいで終わります。また、平日の午前中のみの開催になったことから、当日の午後を片付け作業に充てることができます」
午前中だけで、児童の弁当持参がなくなったのもよかった。以前は、事情があり家族が運動会に来られない児童だけ、教室で弁当を食べることになっていた。他の児童がテントで家族と一緒に弁当を食べる中、かわいそうだなと感じていた。
さらに、縮小の背景として、教員の働き方改革とともに「学習時間の確保」があるという。
「運動会をコロナ禍以前の形に戻さないのは、教師や親の負担を軽減するためですが、それ以上に授業時数確保のためでもあります。練習時間が長くなってしまうと、他の授業を削ることになるので、学習に影響が出かねません。子どもたちの学習のためにも、運動会は今の形がベストだと思います」(同前)