兵庫県議会では、知事の不信任決議案の可決を模索する動きが…

机をたたいたことも、重要な報告が漏れていたからだと主張しながら「思わずたたいてしまった」と認めた。当時は県知事選で当選した直後で「県庁に一人で来ることになって、自分が知らないところで業務が既成事実として進められようとしているのではとの不安を抱いた。選挙戦直後で、緊張感と気が高ぶっていたのもあるので」と言い訳を加えることも忘れなかった。

「パワハラかどうかは私が判定するというよりも、百条委や第三者委員会などが判定するものと思いますけど、私は自分が行なった行為で不快に思われた方がおられるんであれば、そこはお詫びしたい」と繰り返し、パワハラだったとは認めなかった。

斎藤元彦知事(右)と、片山安孝氏(左)(写真/共同通信社)
斎藤元彦知事(右)と、片山安孝氏(左)(写真/共同通信社)

これまで「仕事に関しては厳しくさせていただいている」と格好よく説明してきた斎藤氏だが、本人は行事に向かう公用車の出発時間に頻繁に遅刻するとの指摘も出た。「自分は遅刻して部下には指導するのか?」と問われて「いつも遅れるのでなく、遅れることもある」と返した斎藤知事。自らの行動の非を認めない姿勢に百条委の委員らの怒りは高まっていった。

斎藤知事を3年前の知事選で推した維新所属の佐藤良憲議員は「思いやりがない。人望がない」とこき下ろし、県議会副議長の母親の通夜に県職員が手伝いに行った夜、通夜に行かなかった知事が「今夜は自宅で料理しました」とSNSに書き込んだと指摘した。

これにも斎藤知事は「職員の人望があることは大事だが、県政のためになんの仕事ができるかをしっかり追求していくことが大事」と返し、白けた空気が漂った。

斎藤知事は2時間半にわたった尋問の終了後には記者団に「私が兵庫県知事として仕事をさせていただきたい、そういう思いが強くある」と話し、辞職する気が相変わらずないことを強調した。

だが、兵庫県議会では知事の不信任決議案の可決を模索する動きが顕在化。Aさんが告発文書に書いた他の違法行為疑惑や、斎藤知事や側近らがAさんを報復目的で不当に処分した疑いに対する百条委の追及が9月に本格化する。

百条委での斎藤知事(撮影/集英社オンライン)
百条委での斎藤知事(撮影/集英社オンライン)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班