兵庫に出向した経験ナシ、何もわからない これ以上ない“軽い神輿”
さらに、斎藤氏は宮城県に出向した時代、阪神淡路大震災の経験から東日本大震災の被災地支援にも力を入れた兵庫県が宮城に送った幹部職員らと接近。宮城の特産品をもじり「牛タン倶楽部」と陰口をたたかれるほどに結束を強めていく。
「総務省勤務中、最後に大阪府に出向した斎藤氏は、松井一郎、吉村洋文の2人の維新知事からのおぼえがめでたく、牛タン倶楽部の助力と維新の推薦を得て3年前の知事選でついに兵庫県知事の座を手に入れました。
しかし“五国”と呼ばれ地域性が多様な兵庫県政のかじ取りは易しくありません。兵庫に出向した経験がなく何も分からない斎藤氏をこれ以上ない“軽い神輿”だと喜んだのが牛タン倶楽部。彼らがやりたい放題の県政運営をし、乗せられて良い気分になった斎藤氏はパワハラ、たかりといった個人的な気質や欲望を解き放ったのではないでしょうか…」(県関係者)
祖父を見て「地場産業を大切にしたい」と思ったことが政治を志す原点になった、とアピールする斎藤知事。だが、県内あちこちの特産品をタカリ倒し、「播州織の生産現場を視察した際、ネクタイを試着してそのまま(つけて)帰った」(職員アンケート)という手法まで編み出していたことが明らかになっている。
こうした知事の“破廉恥罪”や、昨年秋の阪神・オリックスの優勝祝賀パレードに絡んだ公金不正支出疑惑などを告発文書で世に知らせた元西播磨県民局長のAさんは、疑惑隠蔽が目的と疑われる人事報復を受けた後自死に追い込まれた。
さらにパレードを担当した課長Bさんも自死している。二人の死の背景に何があったのか。県議会の調査委員会(百条委)は8月30日から、斎藤知事と牛タン倶楽部の片山安孝元副知事(7月末に辞任)、井ノ本知明・前総務部長、小橋浩一・前理事、原田剛治・産業労働部長らへの証人尋問を含めた真相究明作業を本格化させる。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班