「タワマンが増えて嫌だ」と引っ越す地元民も

タワマン周辺に住む地元住民の正直な声を聞いてみた。

下町の風情が残る月島エリア(写真/集英社オンライン編集部ニュース班)
下町の風情が残る月島エリア(写真/集英社オンライン編集部ニュース班)

「最近、態度が悪い外国人のお客さんがたくさん来るようになりました。インバウンドの影響もあると思いますが、タワマンが建ったことも関係していると思います。

うちにもタワマン在住の外国人がたくさん来ますが、意思の疎通が取れない人も多く、それが結構大変で……。圧倒的に多いのは中国人で、文化の違いもあるのでしょうが、よく大声で騒ぐから昔からの常連さんたちは迷惑そうにしています」(60代男性・地元飲食店の店主)

「うちのお店は10年前に大家がデベロッパーにもともとの土地を売っちゃったので、当時は『どこへ移動させられるんだろう』とすごく不安でした。地元の人たちは、みんな『次はうちが立ち退きに遭うんじゃないか』と不安に思っていますよ。

あと最近は中国人がすごく増えましたね。うちにも中国人の富裕層が来て、『友人へのギフトだ』って言って高価なお酒を買ってくれますよ。このあたりで商売している人は、『近くにタワマンが出来てから、お金持ちの中国人のお客さんが増えた』とよく言っています。

それから、タワマンができたことで児童数が増えて学校が足りなくなっていると聞きました」(50代男性・地元酒屋店の店主)

再開発が進むことで、地元を離れる人々も増えているとのこと(写真/集英社オンラインニュース班)
再開発が進むことで、地元を離れる人々も増えているとのこと(写真/集英社オンラインニュース班)
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「地元民からすると、年々住みにくくなっていっている印象ですね。新しく引っ越してきた人の中には挨拶をしない人も多いし、コミュニケーションが取れない人が増えていて……。地域の繋がりは、どんどん薄れていっています。地元民の中には、『タワマンが増えて嫌だ』と言ってほかの地域に引っ越していく人もいますよ」(50代男性・地元工具店の店主)

「地元民の中には、もともと住んでいた土地を買い上げられて、タワマンに住んでいる人もたくさんいます。そういう人たちは高級なタワマンに住んでいても、地元の感覚のままステテコ姿でエレベーターに乗るから、新しく来た他の住民にあまりよく思われてないみたいです。

あと、タワマンの一室で違法民泊を営んでいる外国人も多いと聞きます。家電量販店を営んでいる知人によると、民泊に設置するため家電を一気に100万円分以上買っていく中国人もいるみたいです」(60代男性・地元に住む桟橋管理員)

このほかにも、「昔のような“下町のよさ”は、なくなってしまった」「昔に比べてマナー悪い人が増えた」と嘆く地元民もいた。また、一部の地元民が触れていた「学校不足」も顕在化してきており、事態に頭を悩ませている保護者や行政関係者も多いようだ。さらには土地の価値が上がったため、「固定資産税が増えて迷惑」という声も。

大規模住宅なだけにタワマンが地元に与える影響も大きいようだ。地元民を巻き込んだ令和の“タワマン問題”。この人気は、果たしていつまで続くのだろうか。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班