“すずちゃん”とかみつきイルカの特徴が一致
これまでのかみつきイルカによる被害について敦賀市観光課の担当者が語る。
「小学生の男の子がイルカにかまれて手の指を20~30針縫うケガを負ったのをはじめ、敦賀市内の海水浴場ではこれまで13名(8月14日時点)の遊泳客が被害を受けています。
指をちぎられるほどの被害は今のところ出ておりません。現在、イルカを見かけても絶対に近づかないようポスターを貼るなどして注意喚起をしております」
かみつきイルカに襲われた状況について担当者が続ける。
「シュノーケリングや遊泳中にイルカに触ろうとして襲われたケース、突如現れたイルカに驚いて手で追い払おうとしてかまれたケース、さらには避難しようとしたら攻撃されたケースなど、さまざまです。
イルカの種類については不明ですが、海水浴場にイルカが現れるときは群れではなく決まって一頭で現れるということもあり、同じ個体の可能性が高いとみています」
こうした“かみつきイルカ”のニュースが流れるたびに肩を落としている人物がいる。かつて石川県珠洲市で愛された野生イルカ“すずちゃん”の名づけ親である寺家歴史研究会会長の出村正幸さん(48)だ。出村さんによると、“かみつきイルカ”と“すずちゃん”は同一個体であるという。
「すずちゃんは背びれの後ろ部分が数ヶ所、特徴的に欠けているのですが、福井県の美浜町の海水浴場で撮影されたイルカの背びれもまったく同じ場所が欠けていました。
すずちゃんは2020年8月に珠洲市の海岸に現れ、2021年までは石川県内で目撃されていました。2022年9月に福井県で野生のイルカの目撃が相次いだのですが、石川県からやってきたすずちゃんではないかとメディアで報じられてます。
単独行動をとっているのもすずちゃんの特徴ですし、私はかみつきイルカはすずちゃんだと確信しています」