定年後、一番しんどい思いするのは団塊ジュニア世代⁉︎ 2040年に日本で1100万人の人材供給不足予測でも、シニアの生存競争は激化する
昨今の少子高齢化、人手不足を背景に定年退職の年齢を引き上げる企業が増加し、シニアに頼らざるを得なくなっている日本。しかし、実際の求人では働ける職種は限られており、中高年が直面するリアルな課題になりつつあるが、いったい何が起きているのか。
『中高年リスキリング これからも必要とされる働き方を手にいれる』(朝日新書)より、一部抜粋・再構成してお届けする。
『中高年リスキリング』#2
団塊ジュニア世代の定年後に起きる、新たな雇用獲得競争
団塊ジュニア世代とは、昭和46(1971)年〜昭和49(1974)年の第二次ベビーブームに生まれた世代を指します。特に、昭和48(1973)年の出生数は約209万人と、人口ピラミッド(世代別人口)の中で最も人数が多い世代です。
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実は、私がまさに1971年生まれの団塊ジュニア世代の52歳(2024年現在)です。熾烈な受験戦争、バブル崩壊後の就職氷河期の第一世代でもあります。生まれてからいつの時代も常に競争を強いられてきたのではないかと思います。
そして、このボリュームゾーンである団塊ジュニア世代が、これから役職定年や定年を迎えていきます。この人口分布はしばらく変化がないものとすると、定年後でさえ限られた雇用機会を獲得するための熾烈な競争が待っているのではないかと考えています。
もちろん、年齢性別に全く関係なく、スキルレベルに応じて平等に採用されるような世の中が今後実現できていれば、少しは楽観的な将来を描けるのかもしれませんが、年代別に用意されているポジションが従来と変わらないままであれば、おそらく私たちの世代は人数が多いがために、定年後も仕事に就くための生存競争にさらされるのだろうなと覚悟しています。
文/後藤宗明 写真/Shutterstock
『中高年リスキリング これからも必要とされる働き方を手にいれる』(朝日新書)
後藤宗明
2024/8/9
990円(税込)
272ページ
ISBN: 978-4022952653
40代でクビを3回経験し、書類選考や面接で落とされた数は100社以上、そんな現実をリスキリングで打破! 自らも40歳を過ぎてから取り組んだ実践者でもあるリスキリングの第一人者が、中高年が直面するリアルな課題に応えます。
AIによる自動化、デジタル人材不足、70歳までの継続雇用など、中高年をとりまく労働環境の変化が厳しさを増しています。
特に影響が大きいのが、ヘルスケア、金融、会計、法務等、様々な業界や職業に特化した生成AIサービスの誕生です。
人間の労働が代替される「技術的失業」が起きる未来に備え、将来の選択肢を増やすために、何をどう変えていけばよいのか。
著者の実体験なども紹介しながら、より長く働き続けるために今なすべきことを解説します。
【目次】
第1章 定年4.0時代のリスキリング
1.現実味を増す「定年4.0」の世界
2.AIリストラに備えよ!
【リスキリング体験談①】
「夢に向かって」高校教師から次世代金融システムの起業家へ(荒澤文寛さん)
第2章 リスキリングで労働寿命を長くする
1.定年4.0の時代に労働移動を実現する
2.リスキリングにどう取り組むか
3.AI時代に求められる「学際的スキル」
【リスキリング体験談②】
生活保護を乗り越えてシステムエンジニアへ(城間ちあきさん)
第3章 リスキリングを開始・継続するために
1.定年後に向けて40代から始める「5つの投資」
2.「スキルと学び」に投資し、IDスキルの形成を目指す
3.「健康」に投資し、労働寿命を延ばす
4.「お金」に投資し、リスク許容度を上げる
5.「人間関係」に投資し、チャンスを増やす
6.「仕事」に投資し、将来の選択肢と可能性を広げる
7.「リスキリングは何から始めたらよいか?」