60代、70代の求人情報のリアル

リクルートワークス研究所の研究員、坂本貴志さんのベストセラーとなった著書『ほんとうの定年後「小さな仕事」が日本社会を救う』(講談社現代新書)では、データを元に定年後の実態について紹介されています。

私自身、「老後資金2000万円問題」という報道に接して以来、本当に不安でしたが、この本を読んで、給与は下がってしまうものの、実は高齢者向けの仕事そのものはある、という事実を知り少し安心したことを記憶しています。

ただ実際に、現在の一般的な求人を検索してみると、60代、70代の方々に求められている年齢不問の求人案件は、社会インフラの維持を担う、いわゆるエッセンシャルワークが圧倒的に多いのが特徴です。介護、清掃、警備、建築、調理、販売・接客等の職種は、多少の地域差があるものの、全国的に多くの求人情報が掲載されています。

写真はイメージです。
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一方で、こうした職種で働くための必須条件は、体力があることです。机に向かって椅子に座っている仕事ではなく、一日中立ち続け、ときに重たいものを運び、下半身に負担のかかる仕事は、慣れていない人には体力的にとても厳しい仕事です。

一般的に、加齢とともに体力が低下している60代、70代に求められているのが体力を必要とする仕事というのは、本当に厳しい環境がこれから待ち受けていると言わざるを得ません。そのためにも、自分の健康年齢を維持するための努力をしておく必要があります。