世界の同時中継でとんでもない事故映像

「私の独断と偏見で、これまでのオリンピック開会式の中で起きた珍事ベスト3をご紹介すると、まず3位は、1988年第24回ソウル大会の『ハト事件』ですね。

開会式では、“平和のシンボル”でもあるハトを飛ばして盛り上げていました。しかし、本来、聖火台に火が灯されるあとにハトが放たれるところ、うっかり、その前に放してしまったのです。

ハトは聖火台付近をうろうろ。点火されると聖火に包まれ焼け死んでしまいました。この悲劇は世界中に放映され、人々は大ショック。以後、生きたハトを開会式に使うのはやめましょうということになったのです」(こざきゆうさん、以下同)

インターネットやSNSが発展した今、このような事故映像が流れたら、この当時以上の大騒動になるのは必至だろう……。

写真/shutterstock
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「つづいて2位は、2012年第30回ロンドン大会での、『消えた日本選手団』事件です。開会式では参加各国が国旗を掲げて競技場に入場し大集合。

これが開会式の見どころのひとつとなっていますが、この大会では、日本選手が入って来た際、競技場への誘導スタッフが『日本選手団は途中退場する』と勘違い。競技場内を半周すると、そのまま退場してしまったのです。

そして1位は、2016年第31回リオデジャネイロ大会。このときは、その時点で過去最多となる207の国、地域が出場。しかし、参加団体が多ければ、入場行進が終わるまでの時間がかかるものです。

先頭で競技場に入ってきたギリシャ選手団から、ラストのブラジル選手団が入場し終えるまで2時間近くもかかってしまいました。長すぎて疲れてしまったのか、座り込んでしまう選手があちこちで見られました」

今大会でも船での入場ということもあって、かなりの時間をかけていたが、選手入場とパフォーマンスが交互に行われて、選手はもちろん、テレビを見る人も飽きさせない構成になっているのは見事であった。

果たしてここから、パリ五輪ではどんなドラマが誕生していくのだろうか。この勢いのまま、大いに盛り上がる2週間となってほしい。

取材・文/集英社オンライン編集部