最初に土を持ち帰ったのは誰?
そもそも球場の土を持って帰るのは、“高校野球に出場した証”を残すためだといわれている。自宅に土を飾っている元・甲子園球児たちも多いというが、この文化が始まったのはいつごろなのか。
「諸説あるので断言はできませんが、1937年の第23回夏の中等学校野球(現・全国高等学校野球選手権大会)の際に、熊本工業高校の川上哲治さんが最初に持ち帰ったといわれています」と球場関係者は話す。
ちなみに、土の種類については、野球のしやすさを考慮して日本全国から厳選しており、春と夏で混ぜる土の割合を変えているのだとか。
シンボルとなる「ツタ」が植えられたのも100年前
阪神甲子園球場のシンボルといえばツタで覆われた外観だが、これは2006年の「平成の大改修」と呼ばれたリニューアル工事に伴い大部分のツタが伐採されたのち、2009年に再度植栽が始まり、現在にいたる。
あまりお金をかけずに外観を装飾する方法として、1924年の秋から年末にかけてツタを植栽したのが始まりなのだそうだ。
「“ツタで覆われた外観こそ阪神甲子園球場だ”と感じる方もいると思うので、今もなおツタの植栽をしているんです」と球場関係者はいう。
なお、改修前のように球場全体をツタが覆うようになるにはまだ時間がかかるそうだ。これからの阪神甲子園球場の盛況とともに、ツタの成長も引き続き見守っていきたい。