歩行を支える、目、耳、皮膚、筋肉、関節

正常な歩行に大きく関係する器官としては、目、耳、皮膚、筋肉、関節などがあげられます。

目は、自分の位置やバランスを視覚で感知します。耳は、前庭機能(平衡感覚の調節機能)が頭部の重力面に対する位置の変化を感知します。

そして、皮膚、筋肉、関節などは、位置覚(体の各部分の位置をつかむ)、運動覚(運動の状態を感じ取る)、抵抗覚(押したり引いたりするときの力を感じ取る)、重量覚(物の重さを感じ取る)など、固有感覚(体がどのように動いているかを知覚)の経路が正常に機能する必要があります。

「2000歩で寝たきり」「5000歩で心疾患や脳卒中」最新研究で判明した病気を予防する歩数の目安。しかし、12000歩は…_2

正常なバランス機能の確かめ方「開眼片足立ち検査」

ただ、これらの機能を正確に評価するのはむずかしく、私たちはこのバランス機能をおおまかに評価できる指標として、「開眼片足立ち診断」に注目しています。

目を開けたまま片足立ちがしっかりできれば、通常の歩行も支障なく行えると考えているのです。

厚生労働省の生活習慣病予防のための健康情報サイト「e–ヘルスネット」には、テストのやり方について次のように説明されています。

「開眼片足立ちの測定は、壁から50㎝程度離れた位置で壁に向かって素足で立ち、両目を開けたまま両手を楽に下げ、左右どちらかの足を前方に5㎝程度上げる方法で行います。床に着けている『支持足』がずれるか、支持足以外の体の一部が床や壁に触れるまでの時間を最大1分まで測り、記録します」

1分間しっかり立つことができれば、バランス機能は良好といえます。