「旦那さんの愚痴も聞いたことがなかった」
事件の2日前に、美帆容疑者と挨拶を交わしたという60代・男性は驚きを隠せない。
「あそこの奥さんとは顔見知りで、お会いするたびに『おはようございます~』と律儀に挨拶をしてくれる人でした。平日のお昼に見かけることも多くて、自宅前のゴミ置き場の掃除をしたり、飼い犬の散歩をしに出かけたりしていたので、仕事はしてなかったんじゃないかと思います。
最後に(奥さんを)見かけたのが先週の土曜日でした。自宅に停めてあるシルバーのスカイラインに乗っていたのですが、そのときも窓を開けて会釈してくれたのを覚えています」
美帆容疑者をふくめた一家が引っ越してきたのは、今からおよそ20年前。新築の一軒家で、事件が起きるまで夫の真さんと息子と暮らしていたが、近隣住民からは「仲のいい家族」として知られていたようだ。一家を古くから知る40代女性はこう語る。
「息子さんは高校生くらいまでサッカーをやられていたので、よく美帆さんは『いま息子が大会で勝ち上がってて~』なんて嬉しそうに話していました。一人っ子なので勉強にも力を入れていたようで、進路の心配などもしていて、子ども思いのいいお母さんって印象でしたね。
旦那さんもちゃんとした企業に勤めている方で、息子さんとよく家の前でキャッチボールとかサッカーを一緒にやってました。数年前まではご夫婦で一緒に車に乗っている姿も見かけてましたし、(美帆容疑者から)旦那さんの愚痴とかも聞いたことがなかったので、いまだに信じられません」
また、美帆容疑者は近隣住民から「愛犬家」としても知られていたようだ。自身も犬を飼っているという50代男性は肩を落とす。
「あのご夫婦は交互でワンちゃんを散歩させていましたね。奥さんは明るくて、しゃべり方はちょっと勝ち気な人でしたね。だから失礼ながら『旦那さんは奥さんの尻に敷かれてるのかな?』なんて思ってました。
でも、べつに夫婦仲が悪いとかは聞いたことありませんし、奥さんが話すことといえばワンちゃんの話ばかり。あそこが飼ってるトイプードルは14歳の老犬なので、『そろそろ歯にガタがきてて……』みたいな心配はされてましたが、旦那さんに対する不満とかは聞いたことなかったです」