タクシー運転手は黒幕に賛成
この付近を通りがかった地元民の60代女性に話を聞くと、彼女もまた黒幕設置に否定的な姿勢を示し、代替案も明かした。
「この町ではいろんなスポットがあります。富士山がキレイに見えるのはなにも、このローソンだけじゃありませんのでね、『こういうとこもあります!』というのを行政がSNSか何かで発信して、そこに行くバスを無料化、あるいは100円だけとるとかして、いろんなところに観光客の方をつれていってあげて分散すればいいと思います。
観光客の中にはゴミを落とす方もたくさんいます。確かにそれはエチケット違反ですけど、私は近場に落ちていたゴミは拾っています。なにもゴミ袋いっぱいになるような量ではないので、それくらいは、と思ってやっています。私たちも外国に行ったときはルールも知らないでそういう迷惑をかけたかもしれないじゃない。日本人が迷惑かけている事件だってあります。観光客の方にはせっかく来たのですから、いい気持ちで帰っていただきたい。
他にも、ダメでもともとですけど、例えば新宿からバスで来るんだったら、バス車内で、マナーのことを何度もアナウンスするとか。とりあえず注意・警告してみることも大事だと思います。あとは、苦難の道ですけど、時間を決めて歩行者天国にするのもいいんじゃないですかね。地元の人はいろんな道を知っていますから、この道を避けて通ることもできますし」
地元民はこの道を避けているという意見もいくつかあがったが、これに真っ向から反対したのが、この町でタクシー運転手として働く、78歳の小野田さんだ。黒幕設置には賛成をしている。
「黒幕はいいんじゃないですか。あそこは両方の歩道から人が写真を撮っていて、中には飛び出してくる人もいますから、私は『ブッ!』とクラクションを鳴らしたこともあります。あそこはそれでなくても、もともと狭い道で、注意していましたからね。
去年の春頃からぼちぼち飛び出す人がいて、『危ないなぁ』と思っていましたが、昨年秋頃からだんだん増えてきて、今年のお正月から爆発的に増えてしまって。ローソンに駐車した車が出られないほどになってしまいました」