コミュニケーションツールとして優秀な「桃鉄」

教育版は学生のみがプレイできるバージョンとなるが、通常版の桃鉄は誰でも遊ぶことができる。いいこと尽くしの「桃鉄」、プレイヤー目線から見れば、社会人にも役に立ちそうなことばかりだ。

「そうですね。特に社会人の方ですと、お酒を飲みながら楽しんでもらえるかと思います。桃鉄は大人がプレイしても本気で楽しめるゲーム性となっていますので、ほどよくゲームに熱中しながらコミュニケーションを活性化させるツールとして手に取ってもらえるかもしれません。なおかつ、改めて地名や特産品を学んでもらえるのであればありがたい。

今のところ、社会人向けに教育版を作る予定はありませんが、通常版の桃鉄を遊んでいただいて、学びと交流に活かしてもらえればと思います」

一番乗りの感覚は、何歳になってもやはり嬉しいもの。 ©さくまあきら ©Konami Digital Entertainment
一番乗りの感覚は、何歳になってもやはり嬉しいもの。 ©さくまあきら ©Konami Digital Entertainment
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お酒を飲んで上機嫌になり、笑いあったり、ヤジを飛ばしたりしてゲームを楽しむ。童心に帰るとともに学びなおしもできる。桃鉄はそんな機会を作ってくれるゲームなのかもしれない。

「桃鉄は優秀なコミュニケーションツールです。子どもも大人も楽しめるし、家族そろって遊べるちょっと特殊なタイトルになっています。親御さんが子どものときに、桃鉄で地理や歴史を覚えた経験をもとに、お子さんに同じようにプレイをさせて勉強させる、といったご家庭のお話もよく聞きます。

どんな世代でも笑って遊びつつ、ちょっとした学びにもなる。そういった桃鉄ならではの大事な部分は、これからもしっかりと残していきたいですね。

ちなみに桃鉄シリーズの原作者であり総監督のさくまあきら先生は、桃鉄制作にあたって、実際に地方に赴いてご当地のグルメを食べるという取材をされています。学生さんたちにも、桃鉄を通じて地理や歴史に興味を持ってもらい、ゆくゆくは授業で学んだ場所に旅行に行ってもらえるとうれしいです」

取材・文/文月/A4studio