時流とマッチングさせることの大切さ

――さまざまな仕事の実情を語る「職業日記シリーズ」の1作目『交通誘導員ヨレヨレ日記』が7万6000部も売れ、その後シリーズ累計発行部数62万部(全18冊)の大ヒットへと続くわけですが、1作目のヒットの要因はなんだったのでしょうか?

中野長武(以下同)
 1作目を刊行したときは、ちょうど世間が「老後2000万円問題」で揺れているときでした。2000万円貯めるどころか高齢者が生活費のために働かざるえない状況を描いたこの本は、その時流に乗っかり、テレビをはじめ、多くのメディアに取り上げてもらいました。ヒットはその結果だと思います。やっぱりメディアの力はすごいです。
 

――シリーズ全18冊中、どの本が売れ筋ですか? 

『交通誘導員ヨレヨレ日記』『ディズニーキャストざわざわ日記』『非正規介護職員ヨボヨボ日記』『ケアマネジャーはらはら日記』『メガバンク銀行員ぐだぐだ日記』がよく売れていますね。

分析すると、交通誘導員や非正規の介護職員、ケアマネージャーが人気というのは、やはり自分たちの老後に関係するテーマとして関心が高いからなんだと思います。まだまだ働かなければいけない中高年の人たちに、自分と同世代が働いてるんだと、自分事として参考になったのではないでしょうか。

「職業日記シリーズ」の売れ筋トップ3
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