サイバートラックの優劣を決める「4680」とは?

テスラは2023年11月30日に新型車サイバートラックの出荷を行なうと発表した。日本では2024年2月15日に東京・豊洲でお披露目されている。

イーロン・マスク氏は年間25万台を目標にしていたようだが、2024年1-3月のモデル3とY以外の販売台数は1万7000台ほどだ。アメリカではパワー不足や安全面で問題があるなど、悪い評判ばかりが聞こえてくる。アクセルペダルが外れる恐れがあるなどとして、3900台あまりのリコールも行った。

米テスラCEOのイーロン・マスク氏
米テスラCEOのイーロン・マスク氏

アメリカでは、フォードのFシリーズやシボレーのシルバラードのようなピックアップに一定の需要がある。ホームセンターやディスカウントストアのような大型店で大量の品々を買うために積載量が重視され、レジャーでも使い勝手のいい実用的かつタフな車が必要とされているからだ。

テスラは中国メーカーが進出しづらい特殊な層を狙い撃ちしたわけだが、それが上手くいっているようにも見えない。

そしてサイバートラックには目玉となるべきパーツがあった。「4680」と呼ばれる新型バッテリーだ。これはドライ電極を活用することでエネルギー密度が高く、省スペースでハイパワーを実現できる。しかし、テスラはこのバッテリーの調達や製造に難航しているようだ。

テスラはバッテリーの内製化を進めようとしているが、製造技術を自前で育ててこなかったという最大の弱点がある。それを克服しない限り、価格勝負で優位に立てることはないだろう。