いびきをしなくなったら危険信号!?…高血圧になり、糖尿病のリスクも。筋トレのしすぎは気道を狭くする
パートナーや家族にとっては迷惑ないびきだが、いびきをかいているくらいなら大きな問題ではないという。とはいえ睡眠時無呼吸症候群につながる場合は、気をつけたほうがよいそうだ。長年、睡眠時無呼吸症候群の治療に力を入れている田中俊一医師に話を聞いた。
書籍『金を使うならカラダに使え。老化のリスクを圧倒的に下げる知識・習慣・考え方』より一部抜粋・再構成し、いびき、そしてその先に潜むリスクについて解説する。
金を使うならカラダに使え。老化のリスクを圧倒的に下げる知識・習慣・考え方 #1
動脈硬化や糖尿病も引き起こす
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は保険適用の病気で、診断基準は、睡眠時に1時間に5回以上の呼吸停止があること。いびきから睡眠時無呼吸症候群に進行してしまう原因を尋ねると、加齢の影響が大きいと田中医師。
脂肪や口腔内の組織も加齢で軟化する。舌の根もと(舌根部)が気道に落ち込んで塞いでしまうため、呼吸が止まってしまうのだ。年齢とともに発症する人が増えるのはこのため。田中医師は「日本人の8割以上、75歳を超えたら全員が睡眠時無呼吸症候群」だと考えて診療にあたるそうだ。
「発症する男女比は3:2くらい。60%が男性、40%が女性で、原因は同じです。睡眠時無呼吸症候群は知らないうちに誰もが抱えてしまう病気で、いくつもの病気の原因にもなります」(田中医師)
睡眠時無呼吸症候群がさまざまな病気につながるリスクについて、さらに具体的に教えてくれた。
「呼吸が止まる時間が長くなるため、酸素が十分に入ってこなくなり、低酸素血症になって脳の再生ができにくくなります。脳と心臓は低酸素血症に弱い臓器で、酸素が欲しいからすぐに脈を速める。すると、血液が送り出される時に血管内に乱流ができて動脈硬化が起きたり、無呼吸が年齢とともに進行し、脈を速めただけでは酸素が来なくなって、ついには高血圧にもなります。
つまり酸素を得るために頻脈、高血圧が起こり、そして次はもうこれ以上何をしても酸素が足りないという状態になり、副腎皮質からストレスホルモンであるコルチゾールが分泌される。それがインスリン抵抗性となって血糖値を上げ、糖尿病が発症します」(田中医師)
これはつまり、睡眠時無呼吸症候群を改善すれば、動脈硬化や糖尿病の予防にもつながるということでもある。
写真/shutterstock
金を使うならカラダに使え。 老化のリスクを圧倒的に下げる知識・習慣・考え方(幻冬舎)
堀江貴文(著書)予防医療普及協会(監修)
2024/3/21
1650円(税込)
224ページ
ISBN: 978-4344042506
「老化」に徹底抗戦する知識を身につけ
「健康」に時間・意識・お金をそそげば
「何歳までも」働き・遊べるカラダを維持できる!
遺伝子レベルで老化の解明が進んでいる現代において、人間の宿命とされていた老いの常識や不便は過去の話となりつつある。そんな最先端医療や研究を8年以上取材し、自らの身体で実験し続けている堀江貴文が今特に伝えたい「健康で長生き」のノウハウを語り尽くす。
ホリエモンと一流医師が本気で考えた、現代人が知っておくべき健康投資・決定版。月刊誌ゲーテの連載「金を使うならカラダに使え!」を書籍化
目次
【第1章 老いゆくカラダを阻止する】
・健康診断に時間と金を投資せよ。
・骨格筋が出すマイオカインが健康の鍵を握る。
・ミトコンドリアの治療薬が健康長寿も叶える。
・エクソソームが血管から老化を防ぐ。
【第2章 「老いの不便」は解決できる】
・裸眼で見えると世界が変わる。
・いびきは動脈硬化・糖尿病・肥満にもつながるサイン。
・微笑みの障害・難聴は認知症や鬱を進行させる。
・自分で歯を磨けていると思う方が間違っている。
・嚙む力をコントロールし100歳まで歯を保て 。
・働き、闘い続けるにはテストステロンが必要だ。
【第3章 無駄死にしない知識を持て】
・人間の最後の病・認知症に立ち向かえ。
・過剰なリンから腎臓を守れ。
・助かる大腸がんで年間5万人が死んでいる。
・肺炎のワクチン接種率が低い日本。
・在宅ワークも影響!? 意外と知らない嚥下障害。