保護者は学費を納めてくださるお客さまだから…

最後に紹介するのは、海外にも分校が存在するある私立中学校で教師をしていたDさん(20代)だ。ここではさらに、教員のヒエラルキーは低めの設定だったという。

「クラス分けは、最初に定期テストの順位で1位は1組、2位は2組という感じで各クラスの学力が均等になるように振り分けます。

取材に応じるDさん
取材に応じるDさん

でも、その振り分け方をめぐっても教員同士でかなり意見が割れました。定期テストの順位ではなく、『5教科の内申点の合計のほうがいい』『いや、そこは9教科にするべきだ』というような会議を、2学期の後半あたりからやっていました。

ちなみに問題行動やADHDなどの特性がある生徒、保護者がモンスターペアレントの場合など“手がかかる”生徒はベテランの先生のクラスに入れられることが多いです。

うちの学校は私立なので、保護者は学費を納めてくださるお客さまです。なのでそのご要望はよほど無茶なこと以外は優先されます。管理職は事なかれ主義なので、お客さまのご意見を1番に考えて、とにかく揉めごとを避けたクラス分けができているかを最終チェックしていました」

先生の「なり手」がさらに少なくならないことを祈るばかりだ。

「モンペアの子どもはベテラン教師のクラスに」学校の“クラス分け”はどのように行われているのか? 教師たちにかかる令和ならではの不適切な気苦労とは…〈滋賀・クラス分け異例のやり直し〉   _5
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班