「国内復帰」する選手にとっての一番の“正解”とは

あくまでも絵空事になってしまうが、日本球界復帰の際には古巣の球団に「優先交渉権」を与えるのはどうだろう。

「独占交渉権」では選手の年俸が極端に下がる可能性があるため、在籍最終年の年俸額でのオファーを球団が選択できるようにし、その場合は古巣への復帰が確約される。筒香のケースで言えば、2019年の推定年俸が4億円。これをDeNAが選択すれば無条件で入団。逆に、「4億円は払えない」と判断すればこれまで同様に自由競争とする。

これであれば、たとえ他球団に移籍されたとしても「球団が優先交渉権を選択しなかった」事実が明確になるため、古巣ファンも少しは納得できるのではないだろうか(今の筒香に対して4億円を払えるかどうかは別として)。

そのうえで、この「優先交渉権」に期限を設けるのも策のひとつだ。なぜなら、長期間メジャーでプレーした選手に対してまで古巣への優先交渉権を与えてしまうのは、さすがにアンフェアだから。たとえば、「メジャーでのプレー期間が○年以内」のような縛りを決めることで、ポスティング移籍→メジャーで数年だけプレー→国内他球団へと復帰のような、もっとも「ファンの怒りを買う」ケースを防ぐこともできる。

サンフランシスコ・ジャイアンツのホーム球場、オラクルパークでの試合中 写真/shutterstock
サンフランシスコ・ジャイアンツのホーム球場、オラクルパークでの試合中 写真/shutterstock

たとえば、「3年以上メジャーでプレーすれば、国内復帰の際は自由契約扱い」と明確なルールを定めれば、今回の筒香は対象外になる。もちろん、それでもネガティブな反応は生まれるだろうが、そこに「ルール」があれば多少は緩和される気もする。

「国内復帰」する選手にとっての一番の“正解”――。最高の形はもちろん、「古巣に戻り、ファンに温かく迎えられ、活躍してそれ相応の対価を得る」ことだろう。

ただ、それを実現できるケースは一握りだ。であれば、すこしでも“正解”に近い選択ができるシステム。選手も、球団も、なにより応援し続けてきたファンも、できる限り“納得”できる形が、望ましいはずだ。

文/花田雪