「悪気があってこうした比較をしたわけではないと思うのですが…」
「今回の辞意表明は本当に唐突なことで、まだ頭が追いついていません。川勝知事は自分からは絶対に辞めないと思ってましたし、仮に不信任決議案が可決されようとも解散したりいろいろと仕掛けてくると思っていたので...。
これまでも失言は多々ありましたが、別に法を犯したわけではないし、私個人としては、他に議会で追及することがあるのでは?と考えていました。そんなことに時間を使うのであれば、政治とカネの問題や、県政の課題にもう少し切り込んでいくべきと思っています」(60代女性県議)
「他県の議員に『あの通せん坊のところね〜』とリニアの問題をイジられていたので、知事が辞めればようやく静岡県が“通常運転”に戻るとホッとしています。過去の発言に関しても、そもそも静岡県民であれば、サッカーの強い藤枝東高校が進学校でもあることは常識ですから『勉強よりもボールを蹴ることが重要』なんて発言しませんし、御殿場市にも『コシヒカリしかない』なんて言葉は絶対に出てこないはず。
結局のところ、本当の意味で県民の立場に立っていないと思うんですよ。でも知事には演説のセンスがあって、知事選になると県内各所で『ここは景色が素晴らしく、外国の〇〇(地名)に似ている』とか調子のいいことを言うから、みんなコロッと騙されてきた。
聴衆を沸かせることに関しては天才的に上手いんですよ。まあ今回の辞任表明についても、これまで議会でさんざん失言について言及されていましたから、せめて自分から辞めてかっこよく終わらせたかったのでしょう。不信任決議案を出されて辞めさせられるのでは示しがつきませんもんね」(50代男性県議)
「今回のように農家や酪農家を県庁職員と比べる発言もそうですけど、川勝知事は、これまでもこの“対比手法”をよく使っていました。それこそ過去の知事選では、自分をアリに例えて『自民党という巨大組織に向かっていくんだ』という演説をしていましたし、いわゆる『コシヒカリ発言』でも浜松市と御殿場市を比べていました。『勉強よりもボール』発言のときも、磐田市と浜松市を比べていましたね。
悪気があってこうした比較をしたわけではないと思うのですが、そもそも、本当に県民のことを考えているのなら、県内で優劣をつけるような発言は出てこないはず。こうして両者を対比する手法で知事まで上り詰めた川勝氏が、皮肉にも同じ手法で自らの足をすくわれる形になりましたね」(40代男性県議)
過去にも言いたい放題を繰り返してきた不適切おじさん。「辞めるのやめた」と言い出さないといいのだが。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班