ゴールは「転職」ではなく「納得感をもちながら働くこと」
喜多村さんが代表を務めるミートキャリアを「第三の居場所」として活用し、キャリアチェンジに成功した人もいるという。
「ユーザーのまちあやさんは、育休から復帰したけれど、限られた時間の中で自分の価値が発揮できていないのではと悩んでいて。自分の希望とは異なる業務に割り振られたり、昇給・昇格の機会を与えられなかったりする、いわゆる『マミートラック』に陥っていました。
そのタイミングでミートキャリアのコミュニティ運営に参画いただいたのですが、そこで自分のスキルや強み、やりたいことが明確になったと言います。
例えば『誰かこういうことしない?』と声かけがあったら真っ先に手を挙げるとか、周りの人がパフォーマンスを発揮できるようマネジメントするとか、そういった瞬間にすごくワクワクしたんだそうです。
当時人事として働いていたまちあやさんは、カスタマーサクセスとして転職に成功されました。まさに社外のコミュニティ活動を通して、自分が活きるポジションや職種を見つけられた良い事例です」
最後に「『キャリア迷子』脱出のゴールは転職ではありません」と喜多村さん。
「ミートキャリアのユーザーも、直近の転職活動について相談に来る方は全体の3割ほど。それよりも、中長期のキャリア形成に悩んで相談に来る方が多いんです。
現職に留まるか、転職かの二択になってしまうと苦しいですよね。でも、実はたくさん選択肢や可能性がある。それを知る手段として、副業やコミュニティに参加してみるのもいいし、私たちのようなサービスを利用して第三者と話す機会を作るのもいいと思います。
そうやって視野が広がれば、案外ご自身が一番力を発揮できる場所が今の職場だと気づくかもしれない。一番大切なのは、『やりたい仕事ができている』という納得感を持って働くことではないでしょうか」
「人生100年時代」と言われ、働く時間は人生の大部分を占めるようになった。今こそ、納得感を持って働くことが人生を充実させることにつながるのかもしれない。
取材・文/安心院 彩