そもそも博士はなぜ、出馬するのか?
――「反維新」「反スラップ訴訟」を掲げての今回の出馬ですが、博士の著作、『藝人春秋2』を読むと、今回の出馬は決して松井一郎大阪市長に訴えられた憤りからくる、突発的な行動ではないように思います。特に橋下徹氏と共演した『たかじんNOマネー』(テレビ大阪)の生放送中(2013年6月15日)に突然、降板を宣言した事件の経緯を読んで、そう思いました。
『藝人春秋2』にそのファクトは書いてありますが、あの時、テレビ大阪は『たかじんNOマネー』に出演していた橋下氏の従軍慰安婦問題の発言に対して、ほとんどのコメンテーターが問題有りと指摘していた中で、視聴者投票を実施しました。
その結果は圧倒的に「橋下発言問題無し」だったんですが、そもそもこれは無作為のアンケートではなかった。実際に投票したのは、「メール会員」と呼ばれる右派の番組シンパの人たちで、最初から橋下支持という結果ありきだったんです。僕はこの番組が橋下市長(当時)に肩入れして作っていることを、番組制作会社のトップから直接聞いていましたから。
――番組制作会社のトップであり、番組プロデューサーだったA氏が「橋下支持に決まっとりますわ!」「僕は大阪を壊したいんです」と言い放っていたと、『藝人春秋2』で告発していますね。彼が維新プロパガンダ番組の黒幕だったと。
やしきたかじんさんは新聞部出身の、いわばジャーナリストの目があり、僕が見る限り基本的に中立の立場でした。ところが、たかじんさんが作った制作会社の社長だったA氏はとにかく無思想、無節操だったんです。
あっちの楽屋に行って「先生、朝日新聞って左の新聞ですやん。言うたってくださいよ」とやったかと思えば、こっちの楽屋へ行って「先生、あいつ右寄りでっせ。叩いておかないとバランス取れまへんわ」と言っている。それが丸聞こえなんです。こんな人が番組の権限を持っていたんですよ。本当にひどいものでした。