希望を託す若い世代は多いが……

創立100周年。この先の日本共産党に希望はあるのか?_3

――内なる批判でいうと、歌舞伎町での夜回りなど未成年女性の保護支援を行なうColaboの代表・仁藤夢乃さんが「なぜ、池内さんを比例東京ブロックの名簿で1位にしないのか(比例の順位が男女不平等ではないか)」「多様性を標榜しつつも、変わっていないのは共産党ではないか」と指摘するシーンも刺激的でした。

彼女はSNSでも、そうしたジェンダー平等についての矛盾を発信していて、活動も含めて共感したのでぜひ、紹介したいなと思ったんです。そういう意見を「赤旗」に掲載してほしいと仁藤さん自身が逆オファーしたものの、それは実現に至らなかったみたいで……。

――それこそ党の機関紙として自己批判的に特集したら画期的ですよね。その「赤旗」の現場にもカメラが立ち入り、紙面作りの最前線が垣間見えたのは興味深かったですが。

議員や党員ひとりひとりが自分の意見を、もっとのびのび言いやすい環境を作っていってたら、党としての可能性はもっと広がると思います。支援者たちも今、この社会がおかしいんじゃないか、ヤバイんじゃないかと本気で感じていて、共産党がそうした声の受け皿になれるのかどうか。

選挙でも、どこに投票していいかわからないという人はたくさんいますし、生活が厳しい人ほど保守的になって与党や現政権を支持するという矛盾した状況がある中で、共産党に希望を託している若い世代もすごく多いと肌感覚で感じました。ポテンシャルはある、後はどう変わっていけるのかですよね。

――世襲や既得権益など、自民党に象徴される新自由主義の限界も露呈する今、そのアンチ的存在の共産党にそれこそ“希望”を見出せるのか。そんなタイトルに感じました。

仰る通り、真逆であり真反対のところを見つめることで、見えてくるものもあるのではと。今の社会に対して漠然としたおかしさや苦しみを感じている人たちにこそ見てもらいたいです。今後も共産党には国民が期待を寄せられる政党であってほしいし、見たかたが、自分の中の希望について考えるきっかけとなればと思います。

創立100周年。この先の日本共産党に希望はあるのか?_4

撮影/五十嵐和博

創立100周年。この先の日本共産党に希望はあるのか?_5

『百年と希望』
監督・撮影・編集:西原孝至 プロデューサー:増渕愛子 録音・整音:川上拓也 録音:黄永昌 音楽:篠田ミル 製作・配給・宣伝:ML9 配給協力:太秦 © ML9 [2022年/107分]  公式サイト:100nentokibou.com 公式Twitter:@ml9films 公式Instagram:@ml9films
2022年6月18日(土)より、渋谷ユーロスペースほか全国順次公開!