そもそも温泉って飲んでいいの?
「飲泉」とはいっても、どんな温泉でも飲んでいいというわけではない。環境省が定めた温泉利用基準を満たし、都道府県知事又は保健所設置市(区)長の許可を得た温泉であれば飲用してもいいことになっている。
許可を受けている飲泉所には許可証が掲示され、コップや柄杓が置いてあることが多いので、それを目印にすると良いだろう。言うまでもないが、浴槽のお湯を飲むのは衛生上NGだ。
泉質によっては一定の症状への効用があることも認められており、例えば含鉄泉は鉄欠乏性貧血、二酸化炭素泉は胃腸機能低下が適応症となっている。
昔からよく言われている「貧血なら鉄分を採った方がいい」とか「夏バテの時に炭酸水を飲むと食欲が出る」といった効能を温泉水を飲むことで得ることができるというわけだ。
ただし、持病などによっては飲泉してはいけない場合もあるので、飲泉所に書かれている注意事項を守って適切に飲泉するべし。
飲泉はどこでできる?
飲泉できる場所は全国に数多くある。箱根温泉(神奈川県)や別府温泉(大分県)といった有名温泉地にも飲泉可能な施設が多く存在するし、城崎温泉(兵庫県)のように公共の飲泉所が温泉街に点在している温泉地もある。
伊香保温泉(群馬県)では飲泉所自体が観光スポットとなっており、近くには明治時代に設置された「湯元呑湯道標」もあって、当時から飲泉目的の来訪者が多かったことが伺える。
効能の面で広く知られている温泉地としては、四万温泉(群馬県)が挙げられる。古来より「四万の病を癒す霊泉」や「日本三大胃腸病の名湯」などと謳われ、国民保養温泉地の第一号として国から指定された温泉地だけあって、飲泉しても胃腸に良いとされている。
各宿泊施設内の飲泉所のほか、公共の飲泉所も3か所あり、やや塩味があって飲みやすい味なので、飲泉初心者にもおすすめだ。