脳細胞をクリアに、フレッシュにする
以前はよく山登りに行っていたステファニーは、最近は2ブロックも歩けない。
「エネルギーがぜんぜん湧いてこないんです。いまの私にできるのは、家のなかをうろうろするだけ。頭もまったく回らなくて、ひどい状態です」
初めて会ったとき、彼女は私にそう訴えかけた。「かかりつけの先生には、認知能力の衰えがひどくなっていると言われました。若年性認知症の兆候が見られるらしいんです」
まだ50代初めのステファニーは、すっかり落ちこんで何もする気がなくなっていた。
「人づきあいにも、ものすごく努力が必要なんです。誰かと話してるとすぐに疲れてしまうので、最近はそういう機会をできるだけ避けるようになりました」
ステファニーは、エネルギーの低下にともなって脳の機能低下も起きているように感じていた。記憶力の衰えや、頭にもやのかかったような状態もよく見られる──こうした症状が、激しい疲れと一緒になって、彼女の不安とうつ状態をさらに悪化させていた。
「こんな人生、もう耐えられません。毎日毎日、痛みと不幸と疲れに苦しむだけの人生なんて……」