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虐待の4つの分類

児童虐待防止法には、虐待が4つに分類されて定義されている。ここで、その中身について確認しておく。

身体的虐待:殴る、蹴る、叩く、激しく揺さぶる、縄などで拘束する
性的虐待 :子どもへの性的行為、性行為を見せる、ポルノグラフィの被写体にする
ネグレクト: 家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不衛生にする、車のなかに放置する、病気やけがでも病院に連れて行かない
心理的虐待: 言葉による脅し、きょうだい間の差別、無視、子どもの目の前で暴力を振るうなど、子どもに対して著しく拒否的な態度で「心的外傷を与える言動を行うこと」

以上が、各虐待の分類と、その大まかな定義である。

大概、これらの虐待は重複しながら起きている。身体的虐待があれば、その最中は罵っていることが多いし(心理的虐待が混在している)、性的虐待であれば、その被害に遭った子どもの痛みに気づくことなく、放置され続けている(ネグレクトが混在している)。

うつ病と診断されたものの、抗うつ薬がほとんど効かず、心理療法も効果なし…48歳男性の治らないうつ病に「隠された事情」とは?_1
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一方で、ネグレクトと心理的虐待は、それぞれが単独で起きていることも多い。

ネグレクトは、必要な世話がなされていない様子が比較的に見えやすい。それに対して心理的虐待だけが単独で起きている場合には、周囲も、本人も、それが心理的虐待であることに気づかないことがある。結果、心は静かに蝕まれていく。その心の傷は、大人になって目立つようになる。

きっかけは、うつ病と診断されて治療が開始されるときである。ところが、抗うつ薬がほとんど効かず、心理療法も効果が見られない。典型的なうつ病とは異なり、非常に強い緊張感と焦燥感と消耗感を抱えている。しかも、それらの症状はしつこく、なかなか軽快していかない。再発を繰り返すことも多い。

このような特徴のうつ病を患う人のなかには、虐待を受けてきた人が少なくない。次に紹介するのは、その一例である。