負けたら懲罰? 「都市伝説です」

反対に、これだけの期待を集めながら敗れればどうなるのか。

「スポーツで負ければ監督や選手が“懲罰”を受けるとまことしやかに言われていますが、これは都市伝説ですね。昨秋、杭州でチームの指揮を執り日本に敗れた、リ・ユイル監督は今回も来日。朝鮮新報のインタビューに『(杭州でのチームは)ほとんどが若手選手で構成され国際試合の経験が不足していた。当時の試合を通じて得た経験と教訓をもとに、今回の試合のために技術と戦術の両面でしっかり準備してきた』と話しています」(前出・北朝鮮関係者)

金正恩氏と腕を組む妹の金与正氏(写真/共同通信)
金正恩氏と腕を組む妹の金与正氏(写真/共同通信)

杭州アジア大会で北朝鮮サッカーチームは日本戦においてラフプレーを連発し、女子が1枚、男子は6枚ものイエローカードを受けていたが、ジッダでの第1戦はクリーンな戦いぶりが目につき、カードはゼロだった。これには政治的な背景も囁かれている

「金正恩氏の妹の金与正党副部長が15日の談話で岸田首相の平壌訪問に言及し、日本との緊張緩和を模索する動きを見せています。これが北朝鮮のプレーに影響を与えているのではとの声がある。一方で北朝鮮チームの調子が昨秋より上がっており、ラフプレーをするほど追い込まれていないとの見方もあります(笑)」

世界ランキングは日本が8位、北朝鮮は9位。2001年以降の対戦成績は20戦で日本が7勝、北朝鮮が9勝し、引き分けが4。実力が拮抗した両チームの大一番での激突には見ごたえがありそうだ。

                                    
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班