世界一貧しい大統領からの日本の子どもへのメッセージ
「世界一貧しい大統領」として知られるホセ・ムヒカさんと対談をさせてもらった。そのホセ・ムヒカさんからの、日本の子どもたちへのメッセージが次の通り。
〝日本にいる子どもたちよ。君たちは今、人生で最も幸せな時間にいる。経済的に価値のある人材となるための勉強ばかりして、早く大人になろうと急がないで。遊んで、遊んで、子どもでいる幸せを味わっておくれ。〟
日本全国を講演で回っていて、毎日子どもたちと逢うけれど、ビックリするのは、今の小学生は本当に〝忙しそうだ〟ということ。
国立教育政策研究所の調査によると、現在の小学生(第6学年)の「2人に1人」が塾に通っているという。塾に通っている理由で最も多いのは「受験のため」だそうだ。
小学生というかけがえのない子どもの時間を、遊ぶこともせず、学力の高い中学校に入るための勉強に費やす。無事に学力の高い中学校に入れたなら、次は学力の高い高校に入るための勉強が待っている。
無事に学力の高い高校に入れたなら、次は学力の高い大学に入るための勉強が待っている。無事に学力の高い大学に入れたなら、次は安定した会社に入るための試練が待っている。無事に安定した会社に入れたなら、次は出世のための競争が待っている。
そうして定年までを勤めあげ、敷かれたレールから落ちないことだけに必死だった人生に、やっと自由が訪れる。
その時にはもう、人生の時間もエネルギーも多くは残っておらず、自分にこう問いかける。
「これが自分の人生だったのか」