「新しい結婚観」として広まる可能性も

友情結婚では恋愛感情や性的欲求が排除されているからこそ、相手への尊敬や人としての興味がより必要になるのかもしれない。

ただ、肉体関係を含まず、人としての信頼関係によって結ばれる結婚だからこそ、安心できるという人もいるだろう。実際、友情結婚を求める人の中には、他者に対して恋愛感情や性的欲求を抱かない人、肉体的なつながりを求めない人も多い。

また、筆者は婚活コンサルタントとしてさまざまな婚活の悩みを聞いているが、男性不信の女性に出会うことが少なくない。

男性に対して不信感や苦手意識があるけど、結婚はしなくてはならないものという強迫観念のような思いを抱えて婚活している方が一定数いる。今回実際に友情結婚を望む方の話を聞き、人として信頼関係を築く友情結婚なら、男性不信に陥っている方としてはむしろハードルが低くなるかもしれないと感じた。

友情結婚は今後、マイノリティの選択肢としてだけでなく、新しい結婚観として広まっていく可能性は大いにあるだろう。

インタビュー・文/田中亜依