“ジョーカー”小池百合子、国政復帰か?
仮に衆院選となった場合、相対する野党はうだつが上がらない状態が続いている。前出の時事通信の世論調査だと、政党支持率は日本維新の会が3.8%、立憲民主党が3.5%と続く。
「身を切る改革」を全面に出して勢いづいていた維新は、2025年大阪・関西万博の建設費高騰などの批判を受けて減速気味。立憲は裏金問題で自民党に攻勢をかけるものの、そもそもの政策発信が国民に届いておらず、共感を得られていない状態だ。
ただ、こうした現状を大きく変えるかもしれない政治家がいる。小池百合子東京都知事だ。安倍晋三氏が「ジョーカー」(『安倍晋三回顧録』)と評した小池氏は、2017年に民進党を巻き込んで希望の党を立ち上げ、一時は自民党を震撼させた。
今年の7月7日には東京都知事選が予定されているが、まだ小池氏は出馬を表明していない。永田町関係者は「小池氏ももう71歳。さらに東京都知事の任期を重ねると、年齢的にも国政に戻ってくるのが難しくなる。野党再編という大義名分とともに、次の総選挙で仕掛けてくる可能性は十分にある」と語る。
2017年の希望の党騒動のときに、小池氏とともに民進党代表として動いていた前原誠司氏は現在、国民民主党を離党して新党「教育無償化を実現する会」を立ち上げ、野党結集による政権交代を唱えている。立憲とは違い、旧民主党勢力でありながら維新と統一会派を組み、馬場伸幸代表などと関係が良好なのもポイントだ。
そのなかで小池氏がゲームの流れを大きく変える、まさに「切り札」として、現在の与野党の状況を一変させるかもしれないわけだ。
ここで重要になるのが解散のタイミングだ。通常国会は6月23日に会期末を迎えるが、一方で東京都知事選の告示日は6月20日。
「岸田首相は、小池氏が都知事選に出るかどうかを見極めたうえで、会期末に解散するか否かを判断することになるのではないか」と永田町関係者は語る。