「うちには警察官になれなかった人間も多い」
東京国税局の懲戒処分は風俗関係にとどまらないという。
「昨年5月にはスマホでFX取引を繰り返していた職員2人が減給の懲戒処分を受けました。一人の職員が9カ月間で3000回以上、トイレなどで隠れて取引を繰り返していました。このように勤務中に株やFX取引を行ったことによる処分は多いです。税務調査をすると、株やFXでものすごく利益をあげている個人の詳細がわかります。それに憧れて自らも手を出して依存しているんでしょうね」(同記者)
東京国税局に限らず、全国レベルでもここ数年で税務職員によるさまざまなジャンルのトンデモ事件が相次いでいる。
「コロナ禍だった2021年には、まん延防止等重点措置の期間中に大人数で会食した国税庁職員間でクラスターが発生しました。国から持続化給付金をだまし取る詐欺事件に加担した職員もいましたよね。話題になったのが、埼玉県などを管轄する関東信越国税局の職員が勤務先に人糞を何度も送付していた猟奇的な事件。この職員は別にストーカー事件も起こしていた。そのほかにも盗撮に大麻……と刑事事件も全国で頻発しています」(同記者)
たった数年でこれだけの事件が起きているとはにわかには信じがたいが、こうした背景について前出の現役中堅職員が解説する。
「まず全国の国税職員は約5万6千人と規模が大きいことがあげられます。若い警察官の不祥事もよく目にしますが、うちには警察官になれなくて来た人間も多い。あとは若手、中堅、ベテラン問わず酒が好きな人間も多く、未明まで身内の飲み会に参加した後、勤務先近くのマンガ喫茶に宿泊して早朝からまた勤務している職員も少なくないですね。あと、少し頭の回る人間は退職後に再就職も見つかりやすいということに目をつけて、税務に興味がないのに入ってくるケースもある。企業は元国税というだけで採用したがりますから。」
1月24日には、当局国税局の男性職員(38)が、横浜市内の温泉施設で現金13万円などが入ったセカンドバッグを盗んだ疑いで現行犯逮捕された。
来月には確定申告も始まるが、国税職員の不正にも国民の厳しい目が向けられている。
取材・文 集英社オンライン編集部ニュース班
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