ヤマトが対応を一変、配置転換の打診
去年6月に締結されたヤマト運輸と日本郵便の基本合意書によると、小型荷物配送サービスの「クロネコDM便」は1月末に、「ネコポス」は3月末までに終了することとなった。
「クロネコDM便」と「ネコポス」 のサービスはそれぞれ「クロネコゆうメール」「クロネコゆうパケット」というサービスが引き継ぎ、日本郵便の配送網で届けることになる。
それにともない、それまでこれらの業務を委託していた「クロネコメイト」と呼ばれる2万5000人の個人事業主と、仕分けなどメール便業務に携わるパート社員(契約社員)数千人が契約を打ち切られることになった。そこで彼らの多くからあがる不満の声をこれまで集英社オンラインでは伝えてきた。
この協業はトラック運転手不足が心配される“2024年問題”を見据えて「持続可能な物流サービス」を推進するためとしているが、都内の営業所で働くクロネコメイトの50代女性は「ただのコストカットに決まってる」と怒りをあらわにする。
「そもそも私のようなメイトは営業所の台車や、自前の自転車で配達している人がほとんどだから2024年問題とは関係ないんです。メイトは50~60代の人が多く、契約を切られたら転職するのも難しく、みんな『これからどうしよう……』と不安を口にしています」
そんななか、現役のヤマト従業員から新たな情報提供があった。事態の混乱を受けてか、どうやらヤマト運輸が対応を変えているというのだ。
首都圏の営業所で正社員ドライバーとして働く40代の男性はこう証言する。
「昨年の9月時点では、メイトさんやDM便仕分けのパートさんをすべて切ることになっており、彼らから配置転換の要望があっても聞き入れませんでした。それなのに11月に入って本社の対応が一変。所長自らメイトさんやパートさんに『宅急便の仕分けに移って仕事を続けませんか』と打診するようになったんです。
他の営業所でも同じような提案があるようで、うちの支店長は『もしメディアなどで騒ぎが大きくなってなかったらこのような打診はなかっただろうし、ヤマトは何をしたいのかさっぱりわからない』と愚痴をこぼしてましたよ」