そこにはかつての巨漢の面影はなかった

その後、オーナーが久しぶりに「ハルキ」の消息を聞いたのは、半年ほど前のことだった。

「彼と仲のよかったスタッフから『ハルキは名古屋にいるみたいです』と聞きました。地元で開業する話はどうしたのかと思ったので詳しく聞くと、『二重整形した』とか『女性用風俗(出張ホスト)を立ち上げた』とか言うんです。それで気になって配信アプリからハルキを確認したら、見た目がずいぶんと変わってました。トップ画は銀髪に青のメッシュを入れた髪型で、目も二重にもなってました。スラッとした韓流みたいな格好に黒髪のセンターパートで、プロフィールには女性用風俗の情報も載せていて。女性用風俗はホテルとか家に男性をデリバリーするタイプだったと思います」

そこにはかつての巨漢の面影はなかった。

「中学時代には柔道部主将だった名残で、出会ったころから90キロくらいあって、一緒に働いているころは最大130キロくらいあったんですが、そのせいでヘルニアになってしまったんですよ。それで腰を直すのと痩せたいってことで、今から2年前くらいに1ヶ月くらい店を休んで腰と、胃のバイパス手術をしたんです。おかげで店を辞めるころには80キロぐらいまで落ちてましたね。胃の手術後は食べる量もだいぶ減ったので、今はもっと痩せてたかもしれないです。元々はメイン料理3品、例えばファミレスならピザとパスタとハンバーグセット食べるようなやつだったのが、手術後はハンバーグもライス抜きで7割くらい食べてお腹いっぱいになるくらいでしたから」

トトロと一緒に写真を撮る曾我容疑者(本人SNSより)
トトロと一緒に写真を撮る曾我容疑者(本人SNSより)

ただし、オーナーが知る「ハルキ」は、刃物で人を傷つけるようなことをするタイプとは縁遠かったという。

「彼は見た目こそ怖い感じでしたけど、全然オラついたりすることもなくて、陽気で人を笑わせてくれるタイプでした。もちろん人に暴力を振るったりすることもないし、柔道経験があって強かったから犯行に刃物を使ったというのも意外なくらいです。退社の経緯も若干残念な形だったので、以降は連絡も取ってませんでしたが、いろんな思い出もあるし本当にかわいい後輩だったのでショックですね」

曾我容疑者が女性と住んでいた大須のマンション14階の住民女性はこう証言する。

「私が見かけるのは男性の方でその方はすごく長身で色が白くてホストでもやっているような感じの方ですよ。女性の方はいつも顔を背けるので、顔はわからないんです。男性は顔を向けて挨拶してきましたが…」

イメチェン後の曾我容疑者(本人SNSより)
イメチェン後の曾我容疑者(本人SNSより)
すべての画像を見る

県警は死亡した女性の身元の特定を急ぐとともに、曾我容疑者との関係など調べを進めている。

※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

Twitter
@shuon_news

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班