歴代の衣装は2年前、粗大ゴミに出した
そんなふたりの最後の対決となった2009年での出来事。
小林さんが出番を終えて廊下を歩いていると、すれ違いざまに美川さんから「パチンコ屋かと思った」と言われたというエピソードを小林さんが今年11月8日放送の『上田と女が吠える夜』(日本テレビ系)で紹介したのだが、美川さんはこう反論する。
「それは解せないわね。私が人の衣装にケチつけること言うわけないじゃない。さっちゃん自身が『なんか私の格好、パチンコ屋みたい』って思ってただけでしょ。自分の心の声が私の声に聞こえちゃったんじゃないの(笑)。やめてよ〜」
そう笑い飛ばすも、それぞれが自分の衣装にプライドを持っていたことは事実だろう。小林さんとしのぎを削った数々の豪華衣装はどのようにして作られていたのか。
「毎年、『こんな感じのデザインで作ってほしい』とデザイナーにオーダーして、相談しながら製作していくんだけど、宝石もつけるもんだから、それこそ数億円かけて作った衣装もあったわね。歴代の衣装はずっと倉庫で管理してたけど、2年前にほとんど処分しました。残したのは、お気に入りの孔雀の衣装だけ。これは一昨年出演したラスベガスのショーでも着たのよ」
紅白で数々の名場面を演出してきた美川さんなりに、今の紅白には思うことがあるようだ。
「最近じゃ、新しい人がやたらと出場して歌謡ショーみたいなつくりになってるけど、昔は新人枠なんてせいぜい3、4組しかなかったのよ。私なんて『柳ヶ瀬ブルース』がミリオンセラーになって『新潟ブルース』も売れたのに出られなくて『なんでよ⁉︎』と、さすがにカチンときてたのよ。
『釧路の夜』で出られたときは、これでようやく一人前の歌手になれた、やっと親孝行ができると思えてうれしかったわ」