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デビュー当時のキャッチフレーズは“夜の貴公子”

――「東京レインボープライド」はLGBTQへの理解を深めるために毎年開催されているイベントです。今回参加されてみてどのようなご感想をお持ちになりましたか。

美川憲一(以下、同) 昔はLGBTQなんて言葉がなくて「男は男らしく、女は女らしく」という時代。それに比べればいい時代になったわよね。一部でまだ偏見の目があるとはいえ、ね。だからみなさんにエールを送る意味も込めて、今回は出演させていただきました。

――美川さん自身も中性的なキャラでお茶の間に認知されています。

でもね、最初は“夜の貴公子”ってキャッチフレーズでデビューしたのよ。

「性格は完全な男」「オネエキャラは商売になると思ったから」美川憲一、90年代再ブレイクの秘密。ホステスに「オカマ」とからかわれてブチギレ、ヤクザに土下座謝罪させたことも…_1
“夜の貴公子と呼ばれていたころの美川憲一さん
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――はい。美少年キャラだったと。

動かない、しゃべらない、笑わない。“第二の東海林太郎”なんて言われてたんですから。
その後、鳴かず飛ばずの時期があって、それから「オネエキャラは商売になるな」と思ったのが正直なところね。

――1990年に放送された金鳥の「タンスにゴン」のCM。「もっと端っこ歩きなさいよ」というセリフが当時大変な話題となりました。

その前に(1989年正月放送の)「オールスター爆笑ものまね紅白歌合戦!!」でコロッケが私のものまねで出場して、私がサプライズで“本人登場ゲスト”の第1号として出演したのよ。

曲が終わってインタビューされたんだけど、「ものまねされてうれしい」とか媚びを売るのはやめて毒を吐こうって決めてたの。
だから「コロッケさんにものまねされてどうですか?」と聞かれて「いい迷惑よ」とか、「あたしはこんな安物着ないわよ」とか言ったら、それがすごくウケて。