欧米から広まった自主的に子どもを持たない「childfree」
女性が自主的に子どもを持たない選択をし、その生活について語った動画がTikTokでは人気ジャンルとなっていることをご存知だろうか。
「#childfree」「#childfreebychoice」というハッシュタグの付いた動画投稿が、欧米圏の女性の間で増えているのだ。
動画の内容は、子のいない女性の週末の過ごし方を紹介するものなどがあり、例えば少し遅めの時間に起床し、ゆっくりドラマを観たり、どんな料理を作ろうかのんびり考えたりする様子などが投稿されている。
こうした動画に賛同・共感するコメントがある一方、「子どもがいなかったら将来誰があなたの面倒を見るの?」、「今は子どもがほしくないだろうけどいずれ心変わりするだろう」といった否定的なコメントも少なくない。
だがそういった否定派に対して、賛成派から「必ずしも子どもを持つ必要はないんじゃないか」と反論の声が挙がっており、世界的議論に発展している状況だ。
まだ世の中のマジョリティは「結婚して子どもを持つことが当たり前で、それが幸せなこと」という価値観かもしれないが、なぜ子どもを持たない選択をする女性が注目されてきているのだろう。
「おひとりさま」や「草食系」といった言葉を世に広めた世代・トレンド評論家で、『恋愛結婚の終焉』など多くの著書がある牛窪恵氏は、こう解説する。
「『childfree』という言葉は20世紀後半に海外で生まれた言葉だとされていますが、日本で結婚や出産に関する認識に変化が顕著に見られ始めたのは、現在50歳前後の年齢になる団塊ジュニア世代ぐらいからでしょう。
また以前は、婚姻届を出した人のうち子どもを持たない人の割合は数%でしたが、ここ10〜15年で1割前後にまで増えている状況です。不妊の方も少なくない半面、私のように意図的に子を持たない女性も増えつつあるのではないでしょうか」(牛窪氏、以下同)