自己肯定感が低いために、不倫や宗教に流されたのかもしれない
母方の祖母によると、母親は父親と授かり婚をする前、妻子ある男性との不倫ばかり繰り返していたという。
それは、常に亡くなった姉と比べられて育った母親の、「亡くなった姉を通してしか、両親は自分を見てくれない」というやるせなさや寂しさを埋める自暴自棄な行動ではなかったか。
母方の祖母は、母親が宗教に走ったことを父親のせいにしていたが、私は父親ばかりのせいとは思えない。
株式会社 LITALICOの「りたりこ発達ナビ」によると、「幼少期に養育者との愛着が上手く形成されなかったことによって問題が生じる状態」を、「愛着障害」と言うが、愛着障害に気が付かず大人になった場合、日常生活や仕事において、困難や苦しさ・ストレスを感じる場合が見られるという。
例えば情緒面においては、「思考が100か0かになりやすい」とあり、対人関係においては、「ほど良い距離感がわからない」「パートナーと情緒的な関係を築くことが困難に感じる」「親の期待に応えられないときに必要以上に自分を責める」などの特徴がある。
時任さんによれば、母親には親しい友人がいないという。母親は「愛着障害」だったため、他人とほど良い関係を築くことが難しかったのではないか。
さらに、アイデンティティの確立においては、
・自分自身で決断できない
・選択に対する満足度が低い
・自身に対して否定的になる
という特徴があり、自己肯定感が低いために、母親が不倫や宗教に流されて生きてきた要因が浮き彫りになってくる。
もしかしたら、子どもの頃に父親が蒸発し、母親が宗教にのめり込み、「一番出来が悪い子」と言われて育った時任さんの父親も、母親と同じ「愛着障害」だったのかもしれない。