大谷翔平の思考法 #1
大谷翔平の思考法 #3

小さな目標や習慣が大きな夢を実現させてくれる

多くの自己啓発書に示されている「壮大な夢を描こう!」とか、「大きな目標設定をしよう!」といった魅力的な言葉。確かに、壮大な夢や大きな目標設定を描いているときに、私たちは幸福感を覚えます。しかし、達成不可能な夢をいくら描いても、本気でそこへ向かうモチベーションは生まれてきません。

「1日単位で完全燃焼!」の覚悟を持って、自分の目の前にある「小さな行動の完遂」や、「小さな目標の実現」に果敢に取り組みましょう。小さな習慣こそが、偉大な成果を上げる必須の要素なのです。

私たちは、大谷選手が突然凄い才能を獲得したような錯覚を持ちます。しかし、事実はそうではありません。彼は小さい頃から日々小さな目標をコツコツとクリアしていくことで、凄い才能を手に入れたのです。近道はありません。このことについて、大谷選手はこう語っています。
 
「僕は今でも野球が好きですし、練習するのが好きです。その日の練習で小さい目標を立て|例えばピッチングで何マイル以上出すとか|それを毎日更新していくことで試合のパフォーマンスも上がっていくと思っています」www.salesforce.com

キーワードは、「日々小さな目標をコツコツと積み上げること」です。私は過去30年かけて、250冊以上の著書を世に出すことができました。すべて自らの手でパソコンに打ち込んだ原稿が形になったものです。ライターさんに手伝っていただいた口述筆記は一冊もありません。
よほどのことがない限り、私は午前5時に起床して、軽い朝食をとった後、午前6時から12時までの6時間を執筆に充てています。もちろん、ひたすら執筆だけをし続けているわけではありません。

ストレッチ、コーヒーブレイク、スマホやパソコンでの雑用といった執筆と関係のない他の作業も行いながら、私に与えられた午前中の時間を目一杯活用して、パソコンとニラメッコしながら原稿を書く作業を黙々と行ってきました。

大谷翔平選手に学ぶ目標設定のしかた「小さい夢や習慣が大きな夢を実現させる」という当たり前のことを継続する力_1
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典型的な理系人間である私にとって、「好きでも、得意でもない執筆作業」を、「やらなければ苦痛に感じる作業」に変えてくれたのは、紛れもなく「小さな習慣」という強力なパワーだったのです。

習慣化したかったら、少なくとも最初の2〜3週間は、その作業を休みなく持続させること。
英国ロンドン大学の心理学者フィリッパ・ラリー博士は、ランチのときに果物も一緒に食べるとか、朝起きたら1杯の水を飲む、といった新しい習慣を定着させる実験を行いました。その結果95%の確率でその行動ができるようになりました。ただし習慣化されるまでには、18日から254日という幅があったそうです。
早い人は、2週間で習慣が定着するのですが、ラリー博士が調べたところ、そういう人の共通点は、新しい習慣が形成されるまでは、一貫して休みなくやっていたという事実です。


それでは新しい習慣を定着させるには、具体的にどのようにすればいいでしょう。
これは当たり前のことですが、実行が簡単である行動ほど、習慣化する可能性が高まります。