「ちょっと苦手」な友だちと一緒にいることも大事
ことはちゃんは学校で友だちに会えるのがうれしいんだね。すごく素敵なことだ!
もしかしたら、なかには好きな友だちもいれば苦手だと思う友だちもいるかもしれないね。
オンラインで人に会わない状況になると、連絡をとるのは仲のいい友だちだけになるかもしれない。でもよしおは、自分が「ちょっと苦手だな」と思う友だちとも一緒にいることが大事だと思うんだよね。
そんなこと言って、実は小学生のころのよしおは友だちとの関係で悩んだことはなかったんだけどね(苦笑)。
でも、大人になってそう思うようになったのには理由がある。芸人という仕事を始めてから、苦手な人とも絡まないといけない機会が出てきたんだ。
仕事柄、いきなり一発ギャグや芸の披露を求められる“むちゃぶり”はたくさんあるし、「お前面白くないな」って先輩芸人から言われたこともあった。「わ~、嫌だな~」と思うこともたくさんあったけど、「この状況をなんとかしよう」っていう気持ちからギャグが生まれたり、周りとのコミュニケーションを工夫したりした。
苦手な人や苦手なことって、時には自分の思わぬ部分を引き出してくれたりもするんだよね。苦手な友だちに限らず、いろんな人がいる場所は感情を動かしてくれる。それが、まだ知らない自分に出会えるきっかけになるかもしれないしね。
いろんな人が集まる小学校は面白い!
よしおは小学校を卒業して30年くらい経つけど、小学校って本当に面白い場所だと思う。
塾は「勉強をする」「成績を上げる」「志望校に合格する」みたいに、通う人たちには明確な目的があって、その目的はみんな似ているよね。高校や大学でも、おおよそ似たような偏差値や価値観を持った人たちが集まるし、会社に入っても、大きな目的はだいたい一緒。
でも、小学校ってどうだろう。特別な場合をのぞいて、集まってくるのは本当にいろんな人じゃないかな。家庭環境、将来の夢や目指す場所、得意なことも苦手なこともバラバラな人たちが一緒にいる。
そんな環境で過ごすことって、大人になってからはあんまり経験できない。今まさに小学校に通っていることはちゃんには当たり前で退屈に思えるかもしれないけど、小学校ってかなり面白い場所だよ。
大人の社会って、人との関わりが欠かせないんだ。大人になればなるほど、そう思うことが増えたよ。
人に会わなくてもできる仕事が増えて、コンビニやスーパーもお会計は機械がやってくれるようになったよね。だからこそ、これからは人間にしかできないことがより大切になってくると思うんだ。
いくらAI(人工知能)が発達しても喜怒哀楽は人間だけが持っている感情で、それは人との関わりから生まれる。学校は、悲しい気持ちになったとき、怒りたい気持ちになったとき、その気持ちをどうコントロールすればいいのかを考える場所でもあると思うんだ。
ここまでいろいろ考えてみたけど、やっぱりよしおが思う一番の「学校に行く理由」は「人に会うため」。いろんな人と話したり、一緒に何かをつくったり、運動したり……。人と何かをするってことは、大人になってもずっと続く。
だから、今はそのための練習期間だと思って、学校に行ってみたらどうだろう。
……って、僕は思うんだけど、君はどう思うかな?
ヒント
小学校はいろんな人が集まる面白い場所!
人に会うために行ってみない?
文/小島よしお 写真/shutterstock
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