ウチの奥さんが出くわす度に「孫が宝塚におるんや」とうれしそうに話していた
近くに住む50代の女性にとっても、決して他人事ではないようだ。
「生まれも育ちも『宝塚』の私にとって『タカラジェンヌ』は身近な存在でしたから、本当に残念でなりません。この8月にも宝塚市民を対象にした『貸切公演』にも行ってきたばかりだし、街を歩いても、いかにも宝塚の女優さんという人たちとすれ違うこともあるので、彼女たちは宝塚市のシンボル的存在なんです。しかも最近では、カルチャースクールで、“おばちゃん合唱団”の指導に来てくれたり、アクセサリーショップや中華料理店をオープンした宝塚のOGの方もいます。今回の件で『元・宝塚ならどうとでも生きていけるのに…』と嘆いている友人もいましたよ」
Aさんと同じマンションに住む30代の女性も心を痛めていた。
「このマンションを『宝塚の聖地』と呼ぶ人もいるようですね。たしかにタカラジェンヌっぽい人は多くて、私が知る限りでも10人近くは住んでいます。マンションが建つ以前は駐車場だったし、18階建てというのもあって『街の景観を損ねるのでは?』と心配する近隣住民への説明会も開いたようですね。実際に、廊下側からは宝塚大劇場が見渡せるし、今回亡くなった方も廊下側の駐車場で見つかったみたいですね。どんな気持ちで飛び降りたのかと思うと、胸が痛みます」
Aさんの実家は、京都市内の老舗漬物店。本店の近くの居酒屋の女性従業員はこう語る。
「先代の社長だったあそこの会長さんは町内会の会長も務めていて、毎年5月のお祭りや8月の地蔵盆、10月の運動会などのイベントを取り仕切っていました。7年くらい前に町内会の行事のあとの直会で、『孫が宝塚に入ったんや〜』とうれしそうに話していました。あそこは老舗の漬物屋さんですから、近所の方たちも『さすが○○さんのお孫さんや〜』と喜んでいたので、こんなことになってしまい残念です」
近くの住民もこう肩を落とした。
「先代の社長は町をよく散歩していたんだけど、ウチの奥さんが出くわす度に『孫が宝塚におるんや』とうれしそうに話していたらしいから、親族にしてみたら本当に無念でしかないよね」