「現実に向き合わせる」とは
2021年1月7日。弁護士事務所の会議室でB氏、弁護士と向かい合ってインタビューをした。
私は番組のことを話題にした。B氏がひきこもり当事者と、母親との間に入って、ダイニングテーブルで「話し合い」をさせる場面についてだ。
B氏に促されながら、おとなしそうな中年男性と年老いた母親がカメラの前で「反省会」を開く様は正直、見ていて胸が痛かったと卒直に感想を伝えた。
B氏の話はこうだ。
「(あれが)第三者が介入するということなんですよ。親が過剰に擁護したり、十何年間親子で向き合って話し合いできずにいたりする訳だから」
「向き合えないことに問題があるんですよ。親が高齢になってお金がないのに、無限にあると思って現実逃避している人間に、現実に向き合わせる作業はしますよ。親だって同じで老後に蓄えておかなければいけないお金を、なんとかなるだろうと息子のために使い込んでいて、現実から目を背けている。
だから、状況を正しく判断して、いろんなリスクを考えて、この先どうやって生きていくか考えさせないといけない。親子共依存が続いているのに、当人たちは異常性をあまり感じていないんですよ。
いま『8050問題』っていって、親が定年退職して、不安定になってから危機感を感じていることが多い。だから第三者が間に入って分離しないといけない」
――テレビはもはや弱い物いじめにみえた。ただでさえ弱っている相手に、ぐうの音もでないことを言う。それが支援なんでしょうか。
「精神的に弱っていて、話をするタイミングじゃないというときもある。パチンコやゲームセンターに入り浸っていたらそれをいうケースもある。親の年金で、いつまでも食べていける訳じゃないでしょうといいます。(テレビの場合は)家族の間に入って、交通整理をしながら話してるものです」