プロに聞く、マーダーミステリーの楽しみかた

取材に協力していただいた「ひよこの杜」店長、しゅんさん にマダミスを楽しむポイントをお聞きした。

「プレイするときはぜひ役になりきっていただきたいです。推理を楽しむのはもちろん、役になりきって感情を揺さぶられるのもマダミスの醍醐味です。

台本に書いてあることは情報ではなくプレイヤーの記憶。プレイ中に台本を見返すときは『台本を確認しますね』ではなく、『ちょっと思い出しますね』などと言って、あくまでその役として振る舞うのも楽しむポイントです」

とはいえ、内容を知ってしまうため、基本的にひとつのストーリーをプレイできるのは一度のみ。マダミスはまさに“生モノ”のゲームである。初心者には少々ハードルが高く感じるが、「あまり肩肘を張らずに」としゅんさん は言う。

「GM(ゲームマスター)がフォローするのであまり心配いりません。話合いがうまく進まない場合は、さりげなくわれわれGMがサポートをします」

私は“犯人”なのか? 今、話題の体験型推理ゲーム「マーダーミステリー」をやってみた_d
ひよこの杜店長・しゅんさん(当日のゲームを進行)

今回プレイした「アニクシィ」作者、イバラユーギ氏にもマダミスの魅力を聞いた。

「シナリオの中では敵対したりすることもありますが、ひとつの物語を一緒に創るという構造上、マーダーミステリーは全て協力ゲーム。協力ゲームの中で、『そのシナリオの一番おいしい部分を探しだすこと』が、楽しむコツだと思います」

初めて遊ぶ方にとってはハードルの高い遊びに感じられるかもしれませんが、マーダーミステリーが好きな人は、誰かと何かをと楽しむことが得意な方が多いです。ぜひ怖がらずにチャレンジしてみてほしいですね 。

今回プレイした「アニクシィ」については、「密談」が鍵だと話す。

「密談は、マダミスならでは魅力のひとつです。本作は、マダミスをやり尽くした人でも、『人に聞かれたくない』密談の緊張感を味わえると思います」

「演じるなんて恥ずかしい……」と思うのは最初だけ。始まってしまえば、自分でも驚くほどその役になりきって楽しめるのがマーダーミステリーのすごいところだ。

現在、無料アプリなどでオンラインでもプレイすることもできる。ぜひ、生のドキドキを感じてみてほしい。

取材・文/マサキヨウコ

取材協力

ボードゲーム&マーダーミステリー「ひよこの杜」
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