経済に特化しているように、若者に寄せた報道番組の可能性

ニュースショーで時折コメンテーターに若い世代を代表する人が出てくることはあるが、作り手はある一定の年齢以上が大半で、メインキャスターもそれなりのシニアである。

もちろん報道は全世代に向けてやっているので、当然ピックアップされる話題も最大公約数の興味関心になりがちなのはわかる。しかし、全局全ニュースそういうことでいいのだろうか。

テレビ東京が経済に特化しているように、もっと狭い所にフォーカスしたニュースがあってもいいのではないだろうか。

たとえば、作り手も出演者もピックアップされる話題も若者に特化した報道番組はどうだろう。同じ政治の話題でも若者の関心事は全く異なるし、大事にしている価値観もかなり違う。

そんな番組誰が見るのかという向きもあるかもしれないが、それこそ若者だけでなく、若者のことを知りたいシニアも見るだろう。若者だけに特化するのが嫌なら、朝4時にシニア世代特化ニュースもやればいい。

若者に寄せた? 報道番組『直撃記者#お話聞かせてもらっていいですか?』

そういった意味では、TBSで先日放送された『直撃記者#お話聞かせてもらっていいですか?』は狙いとしてはそういうことだったのかもしれない。

メインキャスターにみちょぱこと池田美優を据え、若い世代の社会問題に大いに関係ある「立ちんぼ女子」「闇バイト」といったテーマについて、記者が実際の当事者に直撃したVTRを見る番組だった。

みちょぱを報道番組のメインキャスターに起用しただけでは変えられない!? 脱オールドメディアを目指すテレビがZ世代向け番組制作で抱える課題とは?_1
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「報道番組のメインキャスターにみちょぱ」という報道がされた途端に、ネットには拒否反応が見られたが、個人的には別にありなんじゃないかなと思う。

その昔(と言ってもだいぶ昔だが)島田紳助が政治討論番組『サンデープロジェクト』(テレビ朝日系列)の司会に抜擢されたときも、芸人風情がという見られ方をされていたが、その後長期にわたり同番組の司会を務めたような例も数多くある。