夫と妻、「不平等」56%
賃金やキャリア形成などで男女差が色濃く残るなか、育児環境の夫婦の平等性も聞いた。夫と妻で子育て環境が平等だと思う人は22.6%にとどまり、不平等だと感じる人は56.1%だった。女性の方が不平等と感じる人が多く、20~40代女性は6~7割に上った。
男性の育児参加のバロメーターとなる育休取得率は21年度に13.97%。男性育休の取得促進や制度改正で5年前から10ポイント以上伸びたが、世界的にみても充実した制度内容の割に取得率は低い。期間も2週間未満と短期の人が5割を超える。
男性がどの程度、育休を取得するのが良いか聞いたところ2~6カ月が27.7%で最多だった。1週間以内が2.4%、「取る必要はない」も4.4%いた。
育児負担の軽減策として海外ではベビーシッターや家事代行が一般的だが、日本では普及が鈍い。理由を聞くと「金額が高い」が75.9%と最も高く、「育児や家事を任せることへの不安」が54.8%で続いた。「サービス供給不足」も34.4%あった。
男女別でみると、女性の方が男性に長く育休を取ってもらいたいと考えていた。男性は「わからない」も4人に1人と多かった。
「親より豊か」1割どまり
自分は親世代に比べて経済的に豊かになった―。こう考える人がわずか13.6%にとどまることが明らかになった。61.1%が豊かになっていないと答えている。
特にバブル崩壊後に生まれた20代は親世代より盟かだと考える人がわずか6.0%、豊かになっていないと考える人が63.5%に上った。一方で高度経済成長を経験した60代は豊かになったと考える人が24.5%だった。
男女でも大きな差が出た。20~40代の女性は豊かになっていないと感じる人がいずれも7割を超え、特に40代女性は79.0%に達した。教育費の高騰などで家計負担が増すなか、仕事と育児の両立による負担の重さの割に豊かさを感じられない子育て世代の現状が浮かぶ。
少子高齢化に伴う社会保障費の増大も負担感を高める一因だ。負担のあり方を聞いたところ、「所得や資産が多い高齢者の負担増はやむを得ない」が53.1%で最も多かった。この回答は年代が上がるほど高かった。
「現役世代・勤労世代の負担増はやむを得ない」は19.5%。若年層の忌避感が強かった。「経済成長による税収増」は60代が28.5%だったのに対し、30代は18.5%と、上の年代で成長を期待する人が多かった。