日本語に特化すれば 日本企業が有利か?

日本語に特化した生成AIを開発するという道も、日本企業にはあるかもしれません。

例えば、LINEとNAVERは共同で日本語に特化した大規模言語モデル「HyperCLOVA」を開発しています。

ただ、日本企業や日本人ではなくても、生成AIに日本語を学習させることはできます。

Stability AI日本代表のジェリー・チーさんも流暢な日本語を話しますし、ChatGPT開発チームで日本担当のシェイン・グウさんは、日本で生まれ育った中国系カナダ人です。日本語で独自に開発したからといって、英語での最先端の開発状況を把握した上で、日本語にそのアルゴリズムのいいところを使うという順番に、勝てるとは限らないでしょう。

2023年4月に来日したオープンAIのサム・アルトマンCEOは、日本に拠点を設けることを検討していると発言しています。

ただ、かつて、グーグルが2001年に日本オフィスを最初の国際オフィスとして開設したにもかかわらず、デジタルの競争力では、日本は先進国のなかで非常に遅れた状態が続いており、利益も結局は海外に出てしまうことを考えると、手放しで喜ぶことではないでしょう。

難しそうなことは海外に「お任せ」。そんな甘い話はありません。自力で考えることを放棄した企業は方向性を失ってしまいます。

日本語AI生成に明るい未来はあるのか…ひらがな、カタカナ、漢字が入り混じる「言語構造の不利さ」が圧倒的な壁に_2

日本の強みが活きるのは 「遊び」のサービス

日本におけるテクノロジーの歴史を振り返ると、効率性や合理主義が重視されるアメリカとは異なる、独自のユニークさがあることに気付きます。それは「遊び」の領域から技術が発展していく点です。

2023年5月、LINEはChatGPTとのコラボレーションで、好きなAIキャラクターを作成し、会話ができるサービス「ドリームフレンド」をリリースしました。AIで作ったオリジナルキャラクターと会話し、育成できるというユニークなサービスです。こうした発想は、漫画やアニメが多い日本に生まれやすいでしょう。

画像生成AIのStable DiffusionやMidjourney、DALL・Eで「お絵かき」を積極的に楽しんでいるユーザーが多いのも、日本の特徴です。漫画やアニメなどの素地があるからでしょう。Midjourneyをベースにした「にじジャーニー」や、Stable Diffusionをベースにした「Novel AI」といった、アニメ風のイラスを描く画像生成AIの人気が高いことからも、それが窺えます。