人を見るときに一番重要なのは…
最後にこれだけは書いておきたいのが、人にはそれぞれ「価値」があるということだ。たいていの人が、誰かの「価値」というと、その人が今の立場でどんな役に立つのか、何をたくさん持っていて、どれくらいの資産や財産を所有しているか、それを試算して、その人の「価値」を決めている。
しかし人の値打ちとは本来、その人が何も持っていなくても、人のために何ができるかということだ。それこそがその人の価値であるべきだ。お金もない、権力もない、そういう状態でも他人のためにどれだけ誠実に、見返りを求めず尽くすことができるかがその人の本当の価値ではないか。それこそがその人の魅力であるべきだ。
この違いを理解するには、人を見る目を養わなくてはいけない。人を見るときに一番重要なのは、肩書きや財産ではなく、その人が人間としてどれだけ魅力的かということなのに、最近の世の中ではそのことが軽視されている。その違いを知る機会のない人は、正直、可哀想だなと思っている。人の価値とは深いものなのだ。
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文/Kダブシャイン












