「絶対に彼氏もつくらないし、結婚もしない」
明音は言う。
「親が発達障害で子供がヤングケアラーになるケースって多いと思うんです。でも、あとでわかったんですが、私も発達障害があったんです。親子で発達障害っていうのは多いと思いますけど、そうなると、いろんなことがどんどん悪くなっていっちゃってどうしようもなくなるんです。
周りも誰も助けてくれない。そう感がると、私は自分がお母さんみたいになっちゃうんじゃないかってすごく怖いんです。だから絶対に彼氏をつくったり、結婚したりしないようにしようって思っています」
彼女は今、24歳だ。これまで2度、ネットで知り合った男性と付き合ったが、2人ともDVをする男性だったそうだ。これまた父親と瓜二つである。そうしたことから、母親のようになりたくないと思ったのだろう。
こうしてみると、ゴミ屋敷に子供がいた場合に、どのようなことが起こるかが見えてくるのではないだろうか。はたらから見れば迷惑極まりない家の中では、子供がヤングケアラーとして負の連鎖に取り込まれている可能性があるのだ。
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取材・文/石井光太
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